fc2ブログ

愛知を中心に東海圏と東京の写真をおさめます。

2023-12

至システム保守

三次元CADの開発とカスタマイズという非常にニッチな業界でキャリアを積んできた
社会人第1章。
大きな会社ならたくさんのCADユーザーがいて、
現場の意見をゴリゴリ汲んだ超ニッチなプログラムを開発して圧倒的な製品設計スピードのお手伝いをしたい
という思いから愛知に転職してきた。

そんな想いとはうらはらに、現在は工場の生産システムの保守、からの改修からの開発
という業務に就いている。
個人なら個人の責任だし、成果になるけれど、
会社に属している以上、ましてや立場などもあって
成果の上がらない部所へのサポート、平たく言うと
火消し応援として放り込まれて投入されてキャリア第2章スタート。



開発に要した額の10~20%が年間保守費、というシステム業界の相場がある。
ケチな儲けてる会社の凄いところは、常識や慣習を素人目線彗眼で破壊するところにある。

参考:「正しい保険」は保険会社の"賢い社員"に学べ | だから日本人は保険で損をする | 東洋経済オンライン

システム保守費を保険代と同じと見てる。
入っててよかった~という感情的な視点はまるでなく、コストとか無駄とか罪悪と見ている。
そもそも生命保険の人も人の命を数値でしか見ていなくて
「ガンは再発したら終わりだから入院は1回だけと考えておけばOK」と
統計的見地から言い切って保険プラン提案してきた時にはビックリした。
そんな経済性最優先のドライな視点で事象を見つめないと
3年後すら世界情勢と経済の予想がつかない現代において
開発ベンダの言いなりになって高い保守費を払い続けるハメに。
ケチな儲けてる会社さんは社員一人ひとりが金額だけ経済性を念頭に動いている。



規模の大小に関わらず他社と関係を持って仕事をすると感じる違和感がある。
大手・元請けの人は何やってるの?

参考:元請け体操第一 - Togetterまとめ

大手や元請けの人は、外枠/概要/外様し分からなくて、中身がどう動いてるなんて
知らないし、知りたくもないし、知る必要もない。と思ってる。
だからこそ最後の最後でベンダの言いなりになってる。

システム保守しろや→○百万/年です→高い→じゃあやらない→やっぱりお願いします

程度の差こそあれ、結局どこの会社もこの寸劇を披露してくれる。
水戸黄門を見ているかのような安心感のあるプロット。
その保守費、睨んだとおり割高なのかもしれないし、危惧したとおりたっぷりボラれているのかもしれない。
システムの中身が分からないから画面数()とか機能数()とかコード行数()から
保守費の妥当性を見極めようとする。するけど
その様は畳の上の水練と同じ、今風に言うと意識高い系()。
技術や経験の伴わない高意識は噴飯の対象。
パーツ数似たようなもんだから、と1/24スケールプラモデルと自動車を同金額だと思ってる。



なぜ元請けなどの大手ベンダと、発注元の大手企業のIT部門の人は
頑なにプログラムを学ぼうとしないのか。
宗教上の理由や死んだ両親の遺言が自身の行動規則を縛り付けているのかと想像してしまうほど
ぜーーーったいにプログラム学ばない。

なぜなのか。

海外とは全く別の考え方。プログラマを機械と見ている。クリエイティブ要素が皆無の機械的作業と見ている。
その視点の発端は、製造業で国を興し拡大し支えてきた期間が長すぎて
製造業の思考法が骨の髄まで染み込んでいるから、個人ではなく法人という単位で。
機械が機械を作っている製造ライン。
プログラマはプログラムを作る機械と思っているんだろうな。代替可能だと思っているんだろうな。
代替可能な存在にわざわざならん、という思想。
今になってその視点は彗眼だったなと思うけど。

しかし現代プログラマの現状は、まさにドラゴンボールの世界。
戦闘力たったの5のゴミ(地球人)と、宇宙の帝王(戦闘力53万)が同じフロアに同居している。
気の大きさプログラマ感覚が分からない人たちはこの絶望的な差を感じとることが出来ないので
安い機械(ゴミ)を大量に仕入れて仕事させるけど成果が上がらないことに怒鳴り散らしながら首を傾げてる。
どうしようもなくなって帝王をお招きしたら1週間かからず結果にコミットしちゃった。そういう世界観。



製造業のおっさん、製造業の会社、RealThingを長いこと扱ってきた人たちの仕事の進め方。

・一発で成功を目指す
・間違い、失敗は絶対許さない
・ウォーターフォール、シングルタスク、一本
・非弾力的なスケジュール


35過ぎのおっさん(私)ですらZ世代。Ctrl+Zが計画・手段・思考に食い込んでいる世代deシステム屋。
荒削りなものをちょっとずつ直していくからリスクとコストを下げられる、とシステム屋は考える。
しかし、工場のおっさんたちが扱ってきたのは鉄の塊。こんな重くて硬いものを何度も作り直されちゃたまらないわけです。
プログラムを1行直すのと、5mm厚の鉄板を1度曲げるのじゃコストが全然違う。
金属製品はとにかく修正コストハンパない。だから「イッパツで」の思考になってしまう。
いくらIT部門といってもこの鉄の呪縛から逃れられないのが日本の大手製造業。
製造手法を徹底したからこそ大手になれたのであって、一朝一夕(20年)でZ思考とは相容れない。



ベンダの言いなりは嫌。でもシステム理解も嫌。
という大手が生み出したウルトラC、それが保守のアウトソーシング、からの囲い込み。
とくに古い基幹系の仕組みは闇が深すぎて鳥目の大手や鉄の元請けでは見渡せない。
古くて、深くて、絡み合っててもう現代の光が届かない。
そんな腐ったシステムの腑分けと理解と保守をお任せします♡とか言っちゃう。

イメージ:あんこう吊るし切り円月殺風景|野人エッセイす

あんこうは食べられない部分がないというが、古いシステムは腐ってやがる腐ってる部分が大半。
ステップ数を見ると60万行と出てきたけど、その実態はコピペとコメントアウトの水増しだったり。

ちょっと立ち止まって考えれば2,3行で済むようなコードを
時間の切迫と勢いにまかせて100行に大増量して仕上げ、そしてエンバグへ。

古いプログラムによくあるコメントでの告発と懺悔。
『Aさんに改善要望出したけど聞いてもらえず。こんなプログラムになってしまってすみません。』


私は腐海の地図を作るお仕事をしている。



火消しは火の中に飛び込むのが仕事。
一緒に燃えちゃ意味ない。

何が燃えているのか。
成果?期限?金?人格的要素?

斥候として新しい領域に投入する人材は
実務のスペシャリストであることは最低条件に
コード読めない人間が腑分けなんて出来るわけ無いだろう。
燃え上がる現場には可燃性物が散在しているだけでなく、着火剤とか爆発物に相当するものまで置いてあるので驚く。

モノとコトの重要度設定。
たとえばプログラムコード。
いくら60万行もあるからって
その全てが同じレベルの重要度じゃない。

コトでは何を重要視するか。
私の案件の場合ならシステム保守することが重要。
コンサルじゃないので美辞麗句ならべても、実務としてシステムのお守りができないと評価されない。
ではシステム保守できるようになるために何が要るのか。
過去の障害事例を参考に発生内容と頻度を勘案し設定する。
システムの停止が生産停止直結というクリティカルなシステムは
まず止めないことが大事。止まっても即時復旧することが大事。

まとめると
 過去の障害履歴から、システム停止に至るような致命的障害に対し
 その障害発生の原因となった機能周辺のプログラムコードを中心に
 読解を進める。
という作業方針が決まる。



仕事と趣味の最大の差は期限設定の有無。
今回のケースでは半年の期間設定。
約60万行のプログラムコード、私を含めて2名の実務者。。

2名が60万行に対し同じだけの知見を持つことは
リスクヘッジ的は有用だけれども、半年という期間で幅広くプログラム解析するという観点では
とても採用できない手法。
一人の天才に任せることが最も効率的な経営手法であると言うように
今だけを考えるのであれば属人化ほど効率的な進め方はない。
ここでも重要度、優先度設定。
将来ではなく今に重きを置く。

60万行のコードを大きく2大機能に、40万と20万行に分け
それぞれに対して担当者1名を割り当てる。

単純化しようと考えてしまう自身も経験してきたはずなのに意思決定者が陥る罠。
60万行に対して2名の担当者と
40万行に1名、20万行に1名の担当者を割り当てるのでは
進捗スピードが違う。
作業者が増えることによるオーバーヘッドはバカにならない。
一人が二人になっても、実際の進捗度向上は1.2~1.5くらい。
2倍にならない。
「2倍どころか、3倍にしろ!」という声も聞こえてきそう。時間があれば業務改善のネタとして
取り組みましょう。だがしかし、半年しかない。



そんなこんなで、もともとCAD屋だった私がシステム保守に携わってはや4年。



今後は
・障害件数を減らす
・保守業務の引き継ぎ
・保守業務の回し方も引き継ぎ
・関係各所との連携方法も引き継ぎ
・システムの弱点把握からのリプレース提案
などを手がけていく所存。
 
愛知、工場、システム、調査、理解、保守、引き継ぎなどでお困りであれば
お話を。
 
関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://alpha99.blog.fc2.com/tb.php/1322-18cdd588
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 | ホーム | 

 

プロフィール

hid

Author:hid
お問い合せはコメント欄へ

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (565)
写真 (438)
カメラ (90)
コスプレ (84)
レンズ (3)
自転車 (56)
ミスせともの (52)
ミス七夕織物 (12)
オートトレンド (5)
思考 (111)
まつり (11)
愛知 (29)
名古屋 (23)
京都 (10)
ディズニーランド (4)
買い物 (31)
こども (17)
生活 (45)
音楽 (10)
読書 (9)
電話 (5)
食べ物 (12)
プログラミング (5)
ライブ (5)
PC (15)
CG (4)
イベント (20)
しごと (9)
趣味 (8)
運動 (5)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR

 

にほんブログ村 自転車ブログへ
にほんブログ村