新春京都を撮ってきた

ビッグステーション
観光客からあの手この手で金をむしることに腐心する京都なんて見たくないよ。年間を通じてずっとそんな感じの京都だけど、ある時期だけは風呂上がりにヨーグルト食べながら脚を掻いてるOLみたいな素顔になってしまう。というわけで観光客が少ない時期を狙い、年も開けて素になってしまっている京都を撮影する気持ち半分と、無計画な突発性激情型マインドが半分ブレンドされ、1月13日(日)京都へ行ってきました。

階が曖昧な感じが素敵。ラストダンジョン風

8時半ごろに京都駅到着。名古屋から鈍行を乗り継いで来たのは毎回のことだし、到着時点ですでにケツがだいぶ痛いのも毎度のこと。過去には真夏と梅雨と紅葉の時期に訪れています。そのすべての回で行き鈍行、帰りは特急という手段です。そして毎回一人旅です。今回は日帰りです。
鈍行電車で揺られているときから目についた弓道の弓をぶら下げた女子高生が多さ。京都駅でもたくさん見られたからおそらく大会だったんだね。その弓道女子を差っ引いても人が多い。まだ朝9時前だっていうのに駅に人が多い。9時前だ?前だ?前田、前田愛。ここ京都駅でガメラとイリスが戦って幾ばくか。いま前田愛はどうしてるのだろうか。あの頃のまま京都駅は相変わらずカッコいい。今回初めて京都駅を撮影。パシャバシャ。

メタルカッコいい

放射状カッコイイ
朝の京都は寒かったので三本指貫きレイヤーテック手袋をソッコー装着。「あの指を何に使うんだよ」という偏見を怖がっていられない。あるもの使って寒さ対策しないと。ヒートテックならぬ光電子の効果で「なにもしなくても温かい」という。が、現実的な体感は暴風効果のみです。手における寒さセンサーは手の甲と指先なので(2013年 私調べ)甲が冷気から遮断されたことによる防寒効果。
レイヤーテック手袋の良い点は薄手の生地ゆえにグリップ力を維持できる点、カメラ操作で必要な3本の指がフリーである点、薬指と小指は冷たくない点。ただ手の甲だけはもう三倍くらい生地が厚いとよりベターです(加工しようかな)。
東京なら街ごとにターゲットの年齢や指向、目的が限られてる。渋谷は若い子向け、原宿はkawaii女子、秋葉原はアニメPCオタク、池袋はさいたま、中野はサブカル、巣鴨はジジババ、青山はハイソ、赤坂は金持ち、六本木は成金デンジャー、新宿はオフィス、丸の内はバリっとスーツ、神田はくたびれたスーツ。そんな風に街ごとに雰囲気や色が区分けされている。ところが京都は若いカップルが神社にたくさんいる。自分なんかは写真を趣味にしてなければ神社仏閣へお金を払って訪れることはなかったと思います。原宿にいるような若い子たちも率先して神社に行こうとは思わないんじゃないかな。しかしミヤビな京人は事もなげに神社デートをenjoyしてる。もしくは近隣県からの観光客なのか。理由はさておきここ京都では神社が若い人のホットステーションなのです。
いや、意外に若い人こそ意外と信仰心あるのかも。人や会社や制度に頼れない時代、最後は神頼み。水天宮に安産祈願に行った時、社殿内でお祓いを受けているのはチャラい系男子orデザイン髭男子と、ゆるふわ山ガールor肌見せギャルでした。言わずもがなだけど一応言っておくと私たち夫婦は紳士淑女でし。

八坂神社。カップル多かった
人が多い時点で私の狙う素顔の京都を取り収める計画の半分頓挫が見えてきた!3月のダウ暴落くらい見えてきた!結局のところ1月上旬は素顔じゃなかったのです。七福神めぐり、成人式、新春イベント、さらにダメ押しで県対抗京都駅伝開催日!街撮り目当てできたら過去三回よりも人が多かったででです。気温が12度もあり散策日和。寒さ対策で用意したインナーパンツ(momohiki)が暑いと感じる場面もあるほど。そりゃみんな街に出てくるはずです。
こんな表を頼りにしたんだけどー。単位は万人です。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
255 | 218 | 448 | 518 | 532 | 352 | 352 | 452 | 387 | 504 | 664 | 218 |
京都到着時の私はそんな事実はつゆしらず、ウキウキウォッチングしながら毎度のecoトリップさんでレンタルサイクル。京都駅で写真とってたから開店時刻の9時に到着しました。
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変速三段の自転車を9時から18時のレンタルで料金1000円です。早朝サービス(有料)、18時から22時までの延長サービス(有料)、泊まっているホテルまでの配達サービス(有料)が用意されていて至れり尽くせり。夜の祗園を撮るし連絡が面倒なので事前に延長料金400円を払っておきました。
あっちこっち写真を撮りに行きたい私みたいな人には自転車での移動をおすすめです。歩かなくていいし、歩くより早いし、バスや電車の待ち時間がないし、渋滞しらずだし。唯一の注意点は歩行者だけ。・・・しかし京都はとても自転車に厳しい都市です。前後に子供を載せたママチャリに対しても歩道を走るな!道路を走れ!と警告しています。そのくせ自転車レーンの整備なんてありません。Crazy Taxiを地で行く京都名物暴走タクシーと車道を並走しているママさんチャリ。厳しかー。京都の渋谷である四条あたりは3分駐輪していたら即撤去。きびしー。そんな事情もありecoトリップさんは交通事情や駐輪情報をいろいろ教えてくれます。
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東寺へ。今回初めて訪れます。レンタルサイクルから八条通りを西へ進み途中の大宮八条交差点で南下。ecoトリップから10分程度で到着です。
「都七福神めぐり」こと京都スタンプラリーが絶賛開催中であり、東寺の毘沙門天、えびす神社の恵比寿、六波羅蜜寺の弁財天が移動可能な近距離でまとまってます。
御朱印は墨と筆でその場で手書きしてくれます。書の嗜みがない私にはこの手のものは全てヘタウマの評価ですが、これが7つ集まればそれなりの価値があるわけです。

五重塔は遠くからでも見えます。京都には何度も訪れているのに生で塔を見るのは初めてです。Googleさん曰く実は京都人でも入場料を払って中に入ったことのある人は少ないんだとか。300メートル離れていても見える巨大建築物が木造で出来てるっていうんだから古代の大工への畏怖よりも構造的な不思議が先に立ちます。遠くからパシャ。

ベタ過ぎるスポット故か、それとも9時20分という時刻故か観光客はあまりいませんでした。駐車場に停まっている車の数を見てもやはり少ないと思います。したがってわたし的には撮影しやすいのです^^。
前々から思っていたことですがお寺巡りは中年男子が一人でするものじゃないみたいです。辺りを見回しても若い女の子ペアまたは若いアベック(!)、老夫婦などが主たるものです。

常時閲覧可能な金堂にて展示されている如来像や○○像。阿修羅像ブームが駆け抜けた昨年夏のとき微塵も食指が動かなかったので全く興味がなかったのですが、牛丼に付いているからという理由だけで箸をつけるお新香と同様の扱いで入った金堂と講堂は頭殴られる衝撃を伴う凄みで満ちていました。薄暗い堂内で人の1.5倍くらいの現実的な巨漢さがまた迫力を倍増。夜と言わず夕方ですら一人で堂に入るには勇気がいる。
なぜ日本は美術品の撮影が禁止されているのかわからない。美しいものを手元に納めておきたいのは当たり前の感情じゃないのか。写真撮影のなにが美術品に悪影響を及ぼすのか。観覧者の呼気の湿気のほうがヤバげ。撮影が禁止されていることに理不尽さを感じたのは初めてです。そのなかで金色に輝く如来像が迫ってくる。お金払って手を合わせたくなる気持ちも分かる。撮れなかったのが本当に残念。D800の高感度でガシガシ撮りたかった。

古都の気をまとう五重塔
五重塔一階部が特別公開されていたので入りました。やはりここでも撮影禁止。とーらーせーろー。五重塔内部は四方の壁に坊さんが描かれているんですね、知りませんでした。みな幻獣っぽい名前の坊さんたち。こんな絵を古代の誰かが描いたかと思うと時の隔たりにゾッとする。手すりに装飾されている彫金をみるとその緻密さに恐れ入る。レーザー彫刻かと言われても気付かない精度。当時の人は寿命短かった。その短い命を一彫りに込めてある。怖くなってそそくさと退室。

後光差す五重塔
東寺から九条通りを東に向かい東福寺駅まで行き、そこから東大路通で北上。チャリチェックが厳しい東山警察署を迂回するのをうっかり忘れ、署の前を手押しで通過。さらに北上して八坂神社・祇園周辺へ向かいます。その行程での写真。



みんながイメージする京都

雰囲気UPのためなのか石畳が濡れている


金剛寺

ポケモンボールたくさん

一つ一つに願い事が書かれている



石塀小路のエントリーポイント

クロネコもTPOに合わせた店構え

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ちょっと早いけどお昼。じつは未だに京都らしいものを食べたことがありません。湯豆腐とか食べてみたいなーとは思うんだけど記念価格にしては豆腐に4000円はタカイヨー。写真が目的であってグルメは船越 英一郎におまかせしてありますので、今回私はなか卯でキメてみました。

SNSみたいなシステムを導入している祗園はマジで一見さんお断りなお店が存在しているみたいだけど、一般価格のランチを出すお店もあったりするそうです。逆に一見さんOKっていう看板出してあるお店も入りにくい。スタバですら「ミソ臭いお方は入店をブブ漬けさせてもろてますー」とか言ってきそうで怖くて入れません。なんでマイ八丁味噌持参してること知っとるがやー。京都冬の陣勃発ですわ。なか卯素敵。
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花見小路は想像に反してメチャ一般道。人も車も凄く多い。Googleの画像検索だと人も車も少なくて石畳と小さな軒先が連なる小ぶりで少女的なシーンがたくさん見つかると思っていたのに今回の花見小路は原宿の竹下通り並みの喧騒でした。夜になるとまた雰囲気変わってくるのかな。
「昼間に歩いている舞妓さんはニセマイコ」と会社同僚から教えてもらった翌日月曜日。もっと早く教えて欲しかったなー。「一緒に写真撮ってもらってもイイですか」と女子に声をかけられていたり「いいですね~いいですね~」とニヤつくカメラマンに撮られていたあれら舞妓さんは皆フェイクだったのか。今回の旅で5人の舞妓さん(の格好をした人)を目撃しましたが花見小路で小走りに駆けて行った白塗りのあの人だけはリアルであってほしいな。一番の相違点は美しさです。見られることを商売としている感です。
次回来た時の楽しみとするためココでは1枚も写真を撮らず。期待と落胆は表裏一体。2月に計画している会社仲間との冬京都撮影会にとっておきます。
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花見小路を道なりにひた進むと到着するのが建仁寺。The Oldest Zen Temple Kenninji.
建仁寺は建仁2年(1202年)将軍源頼家が寺域を寄進し栄西禅師を開 山として宋国百丈山を模して建立されました。元号を寺号とし、山号 を東山(とうざん)と称します。( ´_ゝ`)。
建仁寺は全く期待してなかったけど、その揺り返し故か天井ドラゴンの迫力に感激。迫力は単純に大きさの要素が多分に占めのだと今回の旅で分かりました。

建仁寺方丈入り口。現像ミスで赤い
カメラを首からぶら下げて方丈に入ります。ブラブラするものを見つけたモギリさんが「ココでは写真撮影が自由となっていますので」と教えてくれました。展示してあるものがレプリカだから?だとしても美しいものを自分の思うがままに撮らせてくれる建仁寺の懐の広さはありがたい。感謝です。

大迫力の双龍(ダブルドラゴン)図

今回の京都街撮りでは自転車がじゃまでした。先述のとおり京都は基本的に自転車に寛容じゃない。であれば気合の徒歩が小回り効いて最良。街撮り難しかったなー疲労困憊。
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建仁寺からえびす神社はあっさり見つかります。交通整備しているおっちゃんに聞いたら教えてくれます。「この道まっすぐだよ」


みんなで小銭を投げ入れる。ほれー


恵比寿さんは耳が悪い設定らしい。だからドンドン大きな音で呼び出す
えびすさんこそ並ぶだろうと思ったら求める人は少ない。おお!一番欲しかった御朱印ゲット!意外と嬉しいな!御朱印発行所にはこの季節限定なのかドライヤーが設置されています。ブォーと乾かし大事にカメラバックに納めてまたパシャパシャ。
行く先々で同じ人にあう。カメラ持っていて徒歩だと大体行く場所同じ。同じ人に4回も会うと非常に厳しい。
ゑびす神社からこれまた徒歩10分以内で六波羅蜜寺に到着です。勢いづいてココでも御朱印ゲットと息巻いて列に並んだけど前の人が20枚くらいの台紙を紙袋から出してきた。あかん業者の人だ。5分待っても大量の色紙は一向に減らず。御朱印目的の旅ではないので退散。退散の勢いが余ってしまい写真を撮る事忘れてました。
ここには有名な空也上人像があるので是非見ておきたかったのに忘れてたわ。また次回の楽しみにとっておきます。
何もイベントがない時期に行きたい。
観光客が一番少ない時期。2月だ。
奥さんから電話。腹が痛いのですぐ帰れとのこと。カメラバッグが肩に食い込み正直しんどい。ショルダータイプはダメだな。長時間撮影には向かない。この日以降リュックタイプのカメラバッグを物色中です。
ecoトリップさんへ亜音速で帰り、延長料金の400円を返してもらって新幹線に駆け込みます。35分で名古屋に到着です。